畳の効能や効果、トリビアを連載でお送りする「畳の話」
第5回はイグサが畳表になるまで。
畳の話 連載第5回
◎イグサが畳表になるまで◎
@泥染め
刈り取り後のイグサを染土液に浸し、水切り後に乾燥させます。
(ここでは一般的な工程を紹介しています。
この工程は沖縄県で育てられているイグサにはありません。)
泥染めする意味:
◎染土で茎の表面を保護します。
◎ツヤを出し、変色を防ぎます。
◎吸放湿性に優れる染土で保護膜を作り調湿機能を持たせます。
◎イグサ本来の香りに加え、染土の香りも付与されます。
A乾燥
イグサの青々とした色の変化を防ぐため、
できるだけ速やかに行います。
B収納・貯蔵
湿気が少なく、暗い倉庫や納屋に収納します。
C選別
長いものから分られます。
写真のように、長いイグサほど品質が高くなります。
熊本産のイグサでは、
最上級品 : 135cm以上
上級品 : 120cm以上
中級品 : 110cm以上
下級品 : 97cm以上
のように明確な区別があります。
D製織
変色したイグサは製織前に除外し、
茎が経糸に馴染みやすくなるように加湿したあと、
製織機で1枚1枚織り上げます。
織り上がると水分を約11%以下にする
干し上げ操作ののち、畳床に縫い付けられます。
これだけの工程を経て畳になるのですね。
高品質なイグサは、茎に変色や傷などがなく、1本1本の太さや色がそろっています。
こうしたイグサの、根元と先端を除いた中央の部分を多く使用したものが
上質な畳表です。
1枚の畳表には、約4000本〜7000本のイグサが使われます。
一般的には、長いイグサを使用し、本数も多いほど美しい畳表になるのです。
(参考;森田 洋 著「イグサのすべて」)
さて、次回は畳の敷き方についてです。